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2009年 08月 20日

うみとそらがまじわるところ   イタリアのかかと・サレント

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海がものすごく蒼くて
食べ物がおいしくて
ワインがうまい
人もオープンだし・・・


サレント地方ってどんなところ?
イタリア人に聞いたら、口々にこんな答えが返ってくるプーリアの最南端。

そんな旅に誘われたら、
まずは安易に車にのっかって
それからほんとか確かめようと・・・。

出発前日の晩、マルケに住む友人から、
ボタン操作がまだよくわからない、買ったばかりの一眼レフの、
即席カメラ講座を受けて、
旅行かばんに大切につっこんで、

心が落ち着いてから読もうと、
ついにイタリアまでもってきてしまった
村上春樹の”1Q84”もその脇に。



そしてイタリアのかかとサレント地方へ。







イタリアのかかとプーリア州・サレント地方


イタリアに着いてすぐ、友人のTさんに誘われて、イタリアのかかと、サレント地方へ。

1人旅をしていたときは、
それなりに計画を立てていたものだけれど、
そして、それで満足していたものだけど、

いつしかそんなちょっと気の張った旅もお休みして、
今は、相棒が得られれば、一緒に楽しみ、
誰かにどこかに誘われれば、ふたつ返事で、出かけていく、
両手がいつでも、開いている、そんな旅が好きになりました。

そうすると不思議なことに、
今日の自分のご予定”ではなく、
今そのとき" が旅になって、

空気も風も、海の蒼さも、
今このときが、そのままが、肺の奥まで深く染み込んでいく気がします。

でも、計画いっぱいで、あれもこれもと
がつがつしていた20代の旅も、
それはそれで懐かしく、

きっと、そのときそのときの自分に合った旅が、
自然にやってくるのでしょう。


そして、サレント地方は、ただ波に身をまかせるには、
あまりにもぴったりの場所なのです。


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サレントの街

「明るくて」
「女性には、やさしくて」
「ギター片手に毎日歌を歌っていそう」

いまだに世界に普及する、このステレオタイプのイタリア人男性のイメージは、
2009年のイタリアで
中部や、北部の町を、普通に歩いていたら、そうそうお目にかかれるもんではないと思うけれど、

もしかして、このイメージを満たしたかったら、
ここサレント地方の、海辺で日がな、おしゃべりしている
おじいさんたちを訪ねればいいのかもしれません。

海辺の町らしく、
かつては、マッチョだっただろう筋肉をもった骨太の漁師のおじいさんたち。

サレントの太陽が、顔のしわの隅々までしみこんでいて、
腕に、堂々を彫られた刺青も、どこか、レトロな匂いがして
( 刺青にも、流行というものがきっとあるんですね、今は、みかけないおおげさなデザインですから )
ぽっこりでたお腹が、年とってからの平穏な暮らしを、想像させて、
刺青のすごみも、やわらぎます。

何かを聞いたら、
「教えたくってたまらない!」
(なにしろ、時間はたっぷりあるので)

イタリア観光省は、こんなおじさんたちのいる町を
もっとPRしてもいいかもしれません。

たとえ、何百という世界的遺跡はなくても、
ぼったくられないかひやひやしてお昼ご飯たべるより、
きっと心おだやかに、旅ができることでしょう。


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サレント地方の老舗お菓子やさん



今回Tさんの友人の、パオロとロザンナの空いている家を、1週間お借りしました。

ガラティーナというこの町にある家のすぐそばにある老舗のお菓子やさんは、
品数は、非常に少ないのですが、洗練された店構え。

でも、中に入れば気さくな雰囲気で、
気軽に厨房も、見せてくれます。

私たちが、朝食用に買ったお菓子は、
”Ftuttoni” (フルットーニ) といって、
厚めに敷かれたパスタフローラ(甘いタルト生地)の中に、
アマレーナ (野生のさくらんぼう)のジャムが、ちょこんと入っています。

この地方で、有名なお菓子のひとのは、Pasticiotti (パスティチョッティ) といって、
こちらは、中味が、カスタードクリームになったもの。

人の舌というのは、面白いもので、
1年ちょっとぶりに食べたイタリアのお菓子、一口食べて、出た言葉は、
「あ、あまい!!」

そうそう、これが、イタリアのドルチェッツア(甘さ)だったんだよな。


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サレント地方の伝統料理
マッセリア ドガニエリ (Masseria Doganieri)の夕食



昼間は、10分も歩けばへとへとになるサレント地方の夏の日差しも、
夜は、海風が平らな土地を吹きぬけます。

マッセリアと呼ばれる、昔の農家は、あちこちに点在するのですが、
これを改築して、レストラン兼ホテルにするのが、少し前からのイタリアのブーム。

そんなレストラン、ドガニエリにある晩行きました。

マルコ・バリーオ夫妻(Marco Vaglio)の経営するこのレストランでは、
シンプルで、家庭的な、サレント料理が出されます。

だんなさまがなくなって、娘さんの嫁いだプーリアにやってきた
イタリアのつまさき、カラブリア出身の小さなおばあちゃんが、
入り口で、にこにこと、迎えてくれます。

「夏が終わったら、レストランが休みになるから、カラブリアにバカンスで帰るのよ。
ここは、海まで、ちょっと遠いけど、(といっても、20分もあれば着くのですが)
カラブリアの家はね、ほんのすぐそこが海なのよ!!」

と生まれ故郷、カラブリアへの郷愁いっぱい。


サレント料理というのは、他のプーリアの料理と同じく、
いわゆる、クッチーナ・ポーヴェラと言われる
農民の貧しい料理が、基本なのですが、
四方を海に囲まれているので、
大地で採れた野菜や豆と、海で採れたムール貝や、えびなどがうまく融合されているのが、特徴です。

旅に出て、本屋さんに行き、
その土地の料理の本を、見つけるのが、大好きなのですが、

今回買った”La Cucina del Salento” (サレント料理)によると、
なんと20年前までは、レストランで、いわゆるこのクッチーナ・ポーヴェラの
伝統的な料理を出すのは、恥ずかしいとされていた、というのです。

それでは、何がだされていたか?

ミラノ風カツレツや、ボローニャ風タリアテッレ、ローマ風トリッパなどなど;)

今でこそ、なにゆえサレントで、ミラノ風?と思いますが、
貧しい農民料理のサレント料理を、わざわざお金を払って、レストランで頼むなど、
夢にも思わなかったのでしょう。



すっかり満足してちょっと離れた駐車場に向かうとき、
東京では、ついぞみかけたことのない、イルミネーションのまったくない、
深い深い闇から吹いてくる風が心地よく、

旅での食事というのは、
その地方のお皿の上のものを味わうだけでなく、

小さなおばあちゃんの別れ際の温かいキスや、
家族で、きりもりしてしているそれほど大きくはないキッチンの様子や、

そんなことがひとつの空気になって、
丸ごと胃袋に入るのかな、と思いました。

旅の空気がすっぽり胃袋に入ったら、
きっといつまでもおいしい思い出に。

サレント地方。

毎年でも行きたいところになりました。


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マッセリア・ドガニエリ

Masseria Doganieri
C.da doganieri Galatone

Marco Vaglio
Cell. 333.4559986
333.4990193

by andosachi | 2009-08-20 00:20


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