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2007年 10月 28日

レティツアとの出会い

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          トスカーナのアグリツーリズモ”コルナッキーナ”の
       女性シェフ、レティツアの著書 ”アンティ・シェフ” (アンチ・シェフ)
   500のレシピと、彼女の幼いころの、おいしく暖かい思い出がつづられたこの本。
       
                 そんな彼女との出会いは・・・


トスカーナで悩んでいたころ

トスカーナのスタージュ先のレストランについてすぐ、違和感に悩んでいました。
料理も人も・・・。
「慣れればなんとかなる」

でもその違和感は、日に日に大きくなって・・・・



「もっとシンプルな土地の匂いのする料理を知りたい」

日々、かなりもんもんと、しかし何とかしたいと、模索。
このへんのアグリツーリズモで、そういうところを知るには、どうしたらいいだろう?

ジュリアに相談すると、いろいろ考えてくれ、

レティツアのアグリはどうかしら? 電話してみるわ」
ジュリアの実行力のおかげで、ものすごい早さで、ことが進み、
ともかく、話をしに、日曜日の昼休み、車で連れて行ってくれることに。


馬と出会う、森の中のアグリツーリズモ

ソバーナから、南トスカーナの絵のように小さな村をいくつか通り過ぎ、ところどころ、
葉の色がかわりはじめた森の中を走ります。

「レティツアは、もともとは、獣医さんだったのよ。
それが、馬の調教師だったジュリオと出会って、結婚し、友人と、数人で、
森の中の古い家を買って、アグリツーリズモをはじめたの。

乗馬のお客さんをはじめ、WWFの子供たちも来るの。、
夏の間は、特に、ドイツ人が、たくさん来るのよ。

海まで、馬で散歩する一日の乗馬コースもあるのよ。
もちろん、上級者でしょうけど。」

馬で海岸を走る? 

車の中で、ジュリアのそんな夢のような話を聞きながら、
40分ほども、田舎道を走らせると、森の中にあるレティツアのアグリに到着。

思ったよりも大きくて、でも、車の外にでると、空気がひんやり。
きっと、ソバーナから、けっこう登ったのでしょう。
馬は、どこにいるんだろう?と、きょろきょろ、でもその前に、キッチンだ。


小さいけれど、エネルギッシュ、コルナッキーナのシェフ、レティツア。

白いエプロン、白い帽子、小柄だけれど、エネルギーが内からあふれた話し方。
昼ごはんが終わった、キッチンわきの食堂で、レティツアに事情を話します。

結論を言えば、やはりビザの問題があり、
私のビザでは、ここでは、スタージュは、できないとのこと。

これは、政府のコントロールが入った際、書類なしで、スタージュしている人がいると、
レストラン側が、罰せられるのです。

「狭いキッチンだから、逃げるところもないし・・」
そういって、笑うレティツア。

途中、責任者のエンゾ氏も、やってきて、
「学校の電話番号を教えてくれないか? 書類を書き代えられないか、電話してみるから」
初対面なのに、とてもきちんとした対応で、接してくれます。

ていねいに、お礼をいって、
書類のことが、クリアできたら、また会いましょう、といって握手。

書類の書き換えは、きびしいことを知っていたので、レティツアに、
「もし、今年がだめでも、来年、イタリアにいたら、ぜひまた伺いたいと思います。」

なぜなら、そのときには、この”コルナッキーナ”と、レティツアから、
きっと学べることがある、と直感でわかっていたから。



そして、荷物をまとめ・・・

それでも、ここでもっと続けるべきか、
悩まないわけもなかったけれど、やっぱり一番大切なのは、「時間」
もんもんとして、11月の終わりまで、ここにいるわけには、いかない。

やめることを告げた際のレストランのシェフの反応に、
私が驚いたけれど、何でも一時的なものだ!と自分にいい聞かせ・・・。

まだまだ知りたいこともたくさんあったけれど、
「先に延ばすだけ。必ず、もう一度、戻ってこよう」


出会って間もないのに、こんなにもよくしてくれた
ジュリアと、ジェラルドに別れを告げ、来年の春か、夏の再会を約束。


荷物をまとめ、出発の朝
ピティリアーノで買ったあの洗面器を、
まだ、開いていない、ジュリアの店のドアの前に、こっそり置いて。

" ボンジョルノ(おはよう)、ジュリア。
 私のソバーナでの大切なお風呂を差し上げます。”


by andosachi | 2007-10-28 04:14 | トスカーナの生活


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