2007年 11月 12日
シチリアの道端では、熱々の筒の中で、焼き栗が売られる季節になりました。 今日、11月11日は、イタリアでは、”聖マルティーノの日” 天気予報を見なくても、この日は、必ず晴天と決まっています。 必ず晴天? そのわけは・・・ 聖・マルティーノの物語 イタリアに伝わる、聖マルティーノの伝説 昔々、あるところに、マルティーノという名の、お金持ちの騎士がいました。 11月11日のこの日、戦場から家に帰る途中、天候がひどく荒れ、雪まで降るありさま。 ふと、前を見ると、一人のお年寄りが、着る物もわずか、 寒そうに、とぼとぼと、道を歩いています。 マルティーノは、気の毒に重い、 自分の立派で、暖かい騎士のマントを、ハラリと取り、 剣で、スパッっと、半分にきると、このお年寄りに差し出しました。 「このマントを羽織りなさい」 その様子を、天からみていた神様は、騎士の寛大でやさしい心に打たれ、 すぐに、雪を降らすのをやめ、太陽を連れてきました。 それからというもの、 イタリアでは、11月11日は、いつも太陽がやってきて、 必ず晴れる、と言われています。 そして、この騎士マルティーノは、 その後、聖人=サント (教会が、すばらしい行いをした人を、より神に近いと決めた人のこと) となりました。 新しいワインと、あつあつの栗と。 この聖マルティーノの日には、ワインと栗がつきもの。 この日、イタリアでは、その年に作った新しいワインの樽を空ける日。 このワイン、まだ発酵が浅く、とても強く、酔いやすいので、 熱く焼いた栗と一緒に食べて、その酔いを和らげるそう。 カターニア風、焼き栗の様子。 カターニア風は、熱々の炭を筒の下にいれて、 ものすごい火力の中に、栗を放り込みます。 熱々を紙袋にいれてもらって、 熱々のうちに皮をむいて、ほくほく食べます。 軽い塩味だけで、とってもシンプル。 皮を割ってでてきた中味、ほっと一息ついて、笑顔? 栗をほくほく食べながら、 「でも、騎士は、マント半分に切らなくても、全部あげてもよかったのにね。 (お金もちなんだし?) 半分なんて、ちょっとけち」 「騎士だって寒いんだよー。 だいいち、騎士のマントは、大きいから、お年寄りには、半分だって十分なんだ!」 なるほどね。 2人とも、幸せになったほうがいいし、 やせ我慢の親切は長くは続かないしね。 でも、騎士とお年寄りのおかげで、 太陽とワインと栗を、大手をふって楽しめる、 そんな聖マルティーノの秋ののんびりした一日。
by andosachi
| 2007-11-12 02:17
| イタリアの物語
|
アバウト
カレンダー
メモ帳
イタリアの食べ物の物語は、
こちら ↓(NEW) イタリアの台所から マルケ州からはじまったイタリア生活から、シチリア・モディカでのお菓子修行までは、こちら↓ イタリア料理スローフード生活1 プーリアの素朴な小さな村、オルサラ村、ペッペのレストランでの楽しい日々の様子はこちら↓ イタリア料理スローフード生活2 掲載写真の無断使用は、お断りいたします。 copyright (c)2006-2010 sachiko All rights reserved カテゴリ
全体 トスカーナの生活 シチリアの生活 シチリアの市場から プーリアの日々 イタリアの物語 ルッカのお祭り シチリアの小さな旅 カターニア歩き イタリア映画 日本から シチリア料理 シチリアの素敵な風景 お知らせ 手作りお菓子 イタリアの音楽 未分類 以前の記事
2011年 02月 2011年 01月 2010年 01月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 09月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||